シトル citole
シトルは、ヨーロッパ中世の弦楽器。1200年から1350年ごろまで使われていた。
The citole was a string musical instrument, closely associated with the medieval fiddles (viol, vielle, gigue) and commonly used from 1200-1350. It was known by other names in various languages(Wikipediaより引用)
この頃の楽器は、小さな工房で作られていたり、腕の立つ楽器製作者が個人レベルで作っていただろう。
なので、楽器の形や弦の数などは統一されていない。楽器の名前と楽器そのものがしっかり一致するかといえば、あやしい。
シトルという名称も地域によって方言・訛りがあって似ているけどちょっと違うという呼び名が数多くある。
形状も色々で、ボディがT字のようであったり、花瓶型のようであったり、釣鐘のようであったりする。また、バイオリンをかたどったものもあった。
ネック付きの弦楽器というのはボディの形を自由に変えることが可能なので、それぞれ楽器制作工房の意匠となっていたのかもしれない。
シトルを演奏する天使(中世の絵画) |
シターン
そんな中でシターン(cittern)という名の楽器が現れ、ボディは洋ナシ型にほぼ標準化され1800年ごろまで使われていた。
シターン cittern |
1600年代に出版された書物より |
コルシカ島ではシターンの同系列楽器として改良されたセテラ(cetera / Corsican cittern)が民衆の音楽に使われるようになり、現在でも新しいセテラが作られている。
セテラ cetera(コルシカ島のシターン) |
イングリッシュ・ギター
ギターラ
さらに、時代はうつり、イングリッシュ・ギターやギターラが生まれた。
中でもギータラは、ポルトガル・ギターともよばれ、現在のポルトガルの民衆音楽では欠かせない楽器となっている。
中でもギータラは、ポルトガル・ギターともよばれ、現在のポルトガルの民衆音楽では欠かせない楽器となっている。
イングリッシュ・ギター English guitar |
ギターラ Guitarra portuguesa |
ギターラはポルトガルギターとも呼ばれ、この楽器はイングリッシュ・ギターとシターンが融合され生まれたといわれている。
ファド(ポルトガルの民族歌謡)では無くてはならない楽器となっている。
ファド(ポルトガルの民族歌謡)では無くてはならない楽器となっている。