2023/08/08

ブルーグラスの楽器

 bluegrass music

5弦バンジョー、フラットマンドリン、リゾネータ―ギター、ギター、フィドル、ウッドベース

5弦バンジョー
フラット・マンドリン
リゾネータ―・ギター (ドブロ・ギター)
ギター
フィドル
ウッドベース

ブルーグラスという名の由来は、アメリカの「ブルー・グラス・ボーイズ」というバンド名からきている。


おのころファミリーの楽曲


2023/06/15

ピートシーガー

 Pete Seeger

Pete Seeger 12string-guitar
12弦ギターを弾いて歌うピートシーガー


Pete Seeger longneck-banjo
ロングネックバンジョーを弾いて歌うピートシーガー

ピート・シーガーは、アメリカのシンガーソングライター。1950年頃から活躍。

ギター一本だけで、またバンジョー一本だけで歌う。2014年に亡くなったが晩年、ジイサンになっても歌い続けていた。

ソングライターとしては「花はどこへ行った (Where Have All the Flowers Gone?)」は、現在でも歌い継がれている。

(生まれ1919年5月3日、2014年1月27日に亡くなった)

IROMBOOKの楽曲
IROMBOOKは、楽器のイラストだけでなく、楽曲(唄)も作っています。


2023/05/24

三弦(サンシエン)

 三弦は中国の伝統的な弦楽器。日本の三線や三味線の元になった楽器。

弦子(シエンズ)とも呼ばれる。

The sanxian is a three-stringed traditional Chinese instrument. 

三弦、三絃、サンシエン
三弦
「小三弦」と「大三弦」があり、上のイラストは大三弦。



2023/04/09

ルーマニアの弦楽器

 コブザ kobza

ルーマニアの弦楽器 コブザ
ルーマニアのコブザ
コブザは、ルーマニアやモルドバの伝統的な民族楽器。
後ろに折れ曲がったヘッド部分(糸巻き部分)や、全体のフォルムからして古代ペルシャのバルバット*から派生発展した楽器だと思われる。
コブザの弦は8本(2本がペアの4コース)。弦をはじくプレトトラム(いわゆるピック)は細長い棒状で、伝統的には鳥の羽根を使っていたという。
ネックは短くフレットは付いていない。

コブザという名前の弦楽器はウクライナにもあるが、このページの楽器はルーマニアのコブザ。

* バルバットは、古代ペルシャの楽器で、ウードやリュートなどの祖先となる楽器。さらには、中国や日本の琵琶もバルバットを祖先とするものだ。


2023/03/02

絵画の中のリュート

 ヨーロッパの絵画にはリュートが描かれたものが数多くあります。

バロックリュートであったりルネサンスリュートであったりするのですが、その違いは別のサイトや書籍に譲ることにいたしましょう。

絵画の中のリュート
フランチェスコ・トレヴィザーニ
        Francesco Trevisani
カルロ・サラチェーニ
        Carlo Saraceni
ジョン・スミス
        John Smith
アンナ・ドロテア・テルブッシュ
        Anna Dorothea Therbusch
ジェイコブ・ダック
        Jacob Duck
オラツィオ・ジェンティレスキ
        Orazio Gentileschi



絵画の中のリュート
ヤン・マイテンス 
        Jan Mijtens
ジュゼッペ・マリア・クレスピ
        Giuseppe Maria Crespi
バルトロメウス・ファン・デル・ヘルスト 
        Bartholomeus van der Helst
ヘラルト・テル・ボルフ
        Gerard ter Borch
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ
        Michelangelo Merisi da Caravaggio
ヨハネス・フェルメール
        Johannes Vermeer



2023/01/04

ギターの系統

 もともと西アジアのネックのある撥弦楽器。これがヨーロッパに持ち込まれ、ヨーロッパ流に数多くの楽器が生まれた。
ひとくちにヨーロッパと言っても、とても広く、たくさんの言語が存在する。それぞれの音楽文化に合わせてか、めったやたらと新しい楽器が作られ、その名称も各地の言語でそれぞれ呼ばれたりするので、どの楽器が元で改良されたのか何が何だかわからない。同じ楽器でも名前が複数あったりする。まあ、何が何だか分らなくても特に不具合はないのだけれども。

 ただ、リュートの系統、シターンの系統なんかは改良されてきた道筋は割とわかりやすい。
それとギター。ギターと呼ばれる楽器は、長い歴史からすると比較的最近。まず、バロックギターという名前の楽器が登場する。もちろん、バロック時代にバロックギターという名前は無かったろうから、単純にギターと呼んでいたのだろうけど。



バロックギター
画家:マルグリット・ジェラールの絵画より
1600年代のギター。現在では、バロックという時代名称を冠してバロックギターと呼ばれている。10本弦で、2本対の6コースの楽器が多かった。

ロマンティック ギター romantic guitar
画家:バジル・デ・ルースの絵画より
1800年代に愛用された、ロマン派ギター。バロックギターのシルエットを残したまま、単弦の6本弦。ロマンティックギターとか19世紀ギターなどと呼ばれている。


クラシックギター
ギタリスト:フランシスコ・タレガ
同じく、1800年代にはスペインで世界標準となるべきギターが作られていた。ボディを大きくした6本弦のギターは過去のギターを駆逐し、名演奏家と名曲が生まれた。クラシックギターといえば、この楽器を指す。

スチール弦のアコースティックギター
フォークシンガー:ウッディ・ガスリー
スペインのギターを基本として、スチール弦を張ったギター。フラットピックを使ってかき鳴らす演法を考慮してピックガードを張り付けてある。この楽器を世界中に流行させたのは C.F.マーチン。マーチンのロゴには "EST.1833" と設立年が添えられている。
スチール弦を張ったギターといえばマーチンに少し遅れてもう一社 ギブソンが揚げられる。
アコースティックとは「(電気を使わない)音響の...」という意味だが、現在ではアコースティックギターと呼ぶのは、このタイプのギターを指すことになっている。マーチンとギブソンは、アコースティックギターの2大ブランドとして君臨する。


ジャンゴ・ラインハルト (Django Reinhardt
ジャズ ギタリスト:ジャンゴ・ラインハルト
大きなホールでも鳴り響くように、電気で音量を増すようピックアップを搭載したギターが登場する。アコースティックの空洞を持ったギターにピックアップを取り付けたものや、空洞の無いボディにピックアップと取り付けたものがある。
エレクトリックギター ジミ・ヘンドリックス
ギタリスト:ジミ・ヘンドリックス
空洞の無いエレクトリックギター(ソリッド・ギター)はレオ・フェンダーが商品化し販売した(1949年)。フェンダーといえば、今でもソリッド・ギターの最有名ブランドだ。


2022/12/08

もとは中国の楽器

 三線(さんしん)

三線は、沖縄・奄美群島で愛用されてきた弦楽器。

三線を演奏している女性の図
三線 さんしん
三線の原型は中国の三弦(サンシェン)。本土では三味線としてひろまった。

2022/11/16

有棹楽器の代表

 リュート

有棹楽器というのは、棹がある楽器の総称。 英語では necked lute。つまりリュートは「ネックのある弦楽器」の代表として分類名称として使われている。日本でもリュート属という表現がある。

ヨーロッパではルネッサンス時代から弦楽器の代表として愛用され、絵画にも多く登場するリュート。



オラツィオ・ジェンティレスキ 『リュート奏者』
ジェンティレスキの "The Lute player"



ヨハネス・フェルメール 『Woman with a Lute』
フェルメールの "Woman with a Lute"

上記のイラストは、各画家の絵画から楽器部分をクローズアップして再描画したものです。

2022/10/11

ヨーロッパの古楽器

 シターン (cittern, cithren)

シターンは、ルネサンス時代にさかのぼる弦楽器。
今日のギターのように一般大衆にも普及し、気軽に演奏される楽器として、また音楽制作でも活躍した。
ヨーロッパの古楽器 シターン cittern
シターン

ギターラは、ポルトガルギターとも呼ばれ、ファドという民族歌謡では現在でも必須楽器として愛用されている。

The cittern (cithren) is a stringed instrument dating from the Renaissance. 
Played by the general public as well, the cittern was, like the guitar today, a casually played instrument and a staple in music production.

フェルメールの絵画「恋文」にはシターンが描かれている

2022/09/09

ネックのある弦楽器の代表

リュート lute 

リュートは「ネックのある弦楽器」の代表とされている。
つまり、ライオンもトラもネコの仲間。
タヌキもキツネもイヌの仲間。
つまり、リュートは、ネコでありイヌである。
ギターやウクレレなどネックのある弦楽器は、リュートを代表名としてリュート属と呼ばれている。

ルネサンス リュート renaissance lute

リュートは「西アジアの弦楽器(ウード, バルバット)が基になっておりヨーロッパ流に改良された楽器」というのが定説。リュートという名前もウードが訛ったようだ。
本体音響箱の背面は丸くなっており、ヘッド(糸蔵)が大きく後ろに反り返っている。
サウンドホールには、細かい彫刻が施されており、この彫刻はローズと呼ばれた。
リュートは、中世からバロック後期までの様々な音楽に使われ、さらに一般市民にも愛され、ヨーロッパ全域で重要な楽器として発展していった。

ルネサンスリュート renaissance lute
ルネサンスリュート renaissance lute


バロック リュート baroque lute

本体音響箱の背面は丸くなっているのは受け継いでいるが、バロック期には改変を受け、弦の数が多くなり、さらに長く拡張されたネックと糸蔵に長い弦が張られるようになった。
全体に響きが豊かになったのだろうけど、ハープシコードのようなもっと豊かで幅広い音が出せる楽器が繁栄してきて、リュートの出番はだんだんと少なくなっていったようだ。

バロックリュート baroque lute
バロックリュート baroque lute




2022/08/09

ヨーロッパの古楽器

コラシオーネ
colascione

コラシオーネ colascione
コラシオーネ

コラシオーネは、ヨーロッパの古い時代(16世紀から17世紀ごろ)の弦楽器で主にイタリアで使われていた。

ヨーロッパのリュート型撥弦楽器は、共鳴弦を含め弦の数がいっぱい張ってあるものが多いが、コラシオーネの弦は2本だけのものもある。多くて4本だ。




2022/08/01

リュート属の撥弦楽器

 chordophone
plucked string instruments

リュート属の撥弦楽器  plucked string instruments
リュート属の弦楽器(はじく)
リュート属とは、弦楽器の中でも、棹(ネック)が付いていて弦の長さを変えることができる構造になっている楽器。また、弦を弾いて(はじいて)音を出すものを撥弦楽器(はつげんがっき)という。
なので、ネックがあって弦をはじく楽器は「有棹撥弦楽器」とか小難しい分類がされている。なんて読むんだろう「ゆうとうはつげんがっき」でよかったかな。


2022/07/12

ギリシャの楽器がアイルランドで改良

アイリッシュ・ブズーキ
Irish bouzouki


アイリッシュ・ブズーキ Irish bouzouki / búsúcaí
アイリッシュ・ブズーキ
1960年代の終り頃、ギリシャのブズーキがアイルランド音楽に導入されていた。
アイルランド音楽のために独自に改良されたのは1970年代初め頃で、ボディの背面をフラットにして作られた。この楽器はアイリッシュブズーキとしてアイルランドの伝統音楽に使われ始め、その他のスタイルのフォークミュージックにも適応していった。
日本のメーカーも製造していて、アイルランド音楽だけでなく、ポピュラー音楽やフォークソングでの弾き語りにも利用されるようになってきた。

追記:
前述の通り アイリッシュ・ブズーキ は、ギリシャのブズーキがアイルランドに伝わった。それでは、ギリシャのブズーキはどこから来たのかというと、トルコやイランなどで使われていた、サズとかバーラマと呼ばれる楽器があり、これがギリシャに伝わったという。
つまり、たどっていけば アイリッシュ・ブズーキの祖先は、アジアの楽器が元になっているというわけだ。




2022/06/11

レベティコの伴奏楽器

 ブズーキ bouzouki

ブズーキはギリシャの弦楽器
ギリシャの弦楽器 ブズーキ bouzouki
ギリシャのブズーキ

ボディの底が丸く長いネックを持つ。
この丸底のボディは古くよりペルシャやその周辺で愛用されていた弦楽器に多く採用されている。ペルシャ周辺では 5世紀ごろには、すでに現代と同様レベルの楽器で演奏されていたはずだ。そして、これら西アジアの楽器は、音楽文化を含めて世界中に影響を与えてきた。
ブズーキもそのひとつ。1900年代初め頃というから比較的最近、トルコ・アナトリアから伝わった楽器は、レベティコ(Rebetiko)*というギリシャの大衆音楽に取り入れられた。

さらに、ブズーキはアイルランドでも独自に取り入れられてアイリッシュブズーキという名の新しい楽器が誕生した。
アイリッシュブズーキのボディの底面はフラットになっており、ポピュラー音楽にも使われるようになり日本の楽器メーカーも生産している。

*レベティコのミュージシャンたちは下層階級の人々だった。彼らの生きづらい日常を夜の酒場で演奏し歌い、同階級の人々から熱烈に受け入れられた。
ただ、歌うたい達は、昼間はぶらぶらと過ごし、喧嘩はするし犯罪まがいのことをやるなどで風紀を乱す社会のお荷物としてあつかわれることもあったようだ
レベティコは、ギリシャのブルースとも呼ばれる。


2022/05/22

茶箱を使った弦楽器

 ティーチェスト ベース
teachest bass

ティーチェスト(tea chest)は、茶の葉を保管したり輸送したりするのに使う箱だ。
木製で、コーナーは金属板で補強されているものが多い。持ちきれないような大きさだが、これを弦楽器の増幅ボックスにつかったのが ティーチェストベース。


ティーチェスト ベース teachest bass
teachest bass

ティーチェストベースというくらいだから、低音だ。ただし、コントラバスみたいに安定した音(ピッチ)を出すことは困難。

弦を弾くので弦楽器と呼ぶべきだろうけど、音程が楽譜通りの高さで出せるわけではないので、打楽器としての役割をはたす。

この手作りベースは、ギターやバンジョーなどと一緒に演奏すると、その低音リズムは しっかりと楽曲の底を支えくれる。幅広く安定感のある音楽構成になる。

同様の作りの楽器で金属タライを使った ウォッシュタブベース があるが、これも同じく低音のリズム楽器として活躍する。



2022/04/24

一本弦の打弦ベースはビール瓶を使う

 ババトニ babatoni

ババトニ babatoni
バトニを伴奏に歌うミュージシャン

ババトニは、楽器の構造・形からすれば、リュート属。長い弦をスティックでリズミカルに打つ。リュート属での打弦楽器は珍しい。
このブログでは「撥弦楽器」を集めている。そんな中でババトニは「打弦」として例外で登場させていただいている。

ボーカルの伴奏として使われる。スティックで叩き出す音は「心地よい雑音」を伴い低く響く。演奏している動画を見ると、「解放弦」→「4度上の音」→「解放弦」→「5度上の音」を繰り返している。例えばハ長調なら C →F →C →G となる。
音程を変えるのはビール瓶だ。これは「いわゆる主要3和音」のベース音(根音)なので西洋音楽の基礎をもって演奏しているわけだ。

さらに、ババトニの弦ベース音と共に、バスドラムを一定間隔で鳴らし続ける。 弦ベース音とバスドラムの音だけで歌う。和音なんかなくても歌の伴奏として完璧だ。




2022/03/27

スウェーデンのリュート

 Swedish lute (svensk luta)


Swedish lute (svensk luta)
スウェディッシュ リュート
スウェディッシュリュートは、初期のシターンを発展させた弦楽器で、フレットボードからオフセットされたいくつかのベース弦を備えたヘッド(糸蔵)備えている。
現代のスウェーデンのリュートは、一般的にフレットボード上に6本の弦と、4~6本のオープン・ベース弦が張られている。

The Swedish lute is a musical instrument developed from the early cittern, with a Extended head with several bass strings running offset from the fretboard. 
The modern Swedish lute generally has six strings over the fretboard, and four to six free-running bass strings.

スウェーデンのミュージシャン
エバート・タウベ

Evert Taube(1890年3月12日~1976年1月31日)は、スウェーデンの作家、芸術家、作曲家、歌手。
彼は スウェーデンで最も尊敬されているミュージシャンの一人。20世紀のスウェーデンのバラードの伝統の第一人者として広く認められており、クローナ紙幣の肖像にもなっている。
スウェーデンのミュージシャン エバートタウベ
エバート・タウベ



2022/03/05

ファドで使われる楽器

 ポルトガル ギター 
Portuguese guitar


ポルトガル・ギター Portuguese guitar
ポルトガルギターは、ポルトガルの伝統音楽「ファド」で使われる弦楽器。
12本の弦は複弦(2本がペア)で、6コースを構成している。
チューニングペグが特徴的で、弦を引っ張ってピッチを合わせる。

ファド Fado
Fado is a music genre that can be traced to the 1820s in Lisbon, Portugal. 
but probably has much earlier origins.
ファドは、ポルトガルのリスボンで1820年代にさかのぼることができる音楽ジャンル。起源はもっと古いかもしれない。


2022/02/10

ヨーロッパの古楽器

 シトル citole

シトル Citole
シトルは、ヨーロッパ中世の弦楽器。1200年から1350年ごろまで使われていた。
The citole was a string musical instrument, closely associated with the medieval fiddles (viol, vielle, gigue) and commonly used from 1200-1350. It was known by other names in various languages
(Wikipediaより引用)
シトルの 演奏

この頃の楽器は、小さな工房で作られていたり、腕の立つ楽器製作者が個人レベルで作っていただろう。

なので、楽器の形や弦の数などは統一されていない。楽器の名前と楽器そのものがしっかり一致するかといえば、あやしい。
シトルという名称も地域によって方言・訛りがあって似ているけどちょっと違うという呼び名が数多くある。

形状も色々で、ボディがT字のようであったり、花瓶型のようであったり、釣鐘のようであったりする。また、バイオリンをかたどったものもあった。
ネック付きの弦楽器というのはボディの形を自由に変えることが可能なので、それぞれ楽器制作工房の意匠となっていたのかもしれない。
ヨーロッパ中世の絵画(シトルを演奏する天使)
シトルを演奏する天使(中世の絵画)
この絵を見ると、鉛筆のような細長いピック(プレクトラム)で弦をはじいているのが分かる。


シターン

そんな中でシターン(cittern)という名の楽器が現れ、ボディは洋ナシ型にほぼ標準化され1800年ごろまで使われていた。

シターン cittern
シターン cittern


イングランド 1600年代に出版された書物より
1600年代に出版された書物より


コルシカ島ではシターンの同系列楽器として改良されたセテラ(cetera / Corsican cittern)が民衆の音楽に使われるようになり、現在でも新しいセテラが作られている。
Setera / コルシカ島のシターン
セテラ cetera(コルシカ島のシターン)


イングリッシュ・ギター
ギターラ

さらに、時代はうつり、イングリッシュ・ギターやギターラが生まれた。
中でもギータラは、ポルトガル・ギターともよばれ、現在のポルトガルの民衆音楽では欠かせない楽器となっている。

イングリッシュ・ギター
イングリッシュ・ギター English guitar

ギターラ / ポルトガル・ギター
ギターラ Guitarra portuguesa

ギターラはポルトガルギターとも呼ばれ、この楽器はイングリッシュ・ギターとシターンが融合され生まれたといわれている。
ファド(ポルトガルの民族歌謡)では無くてはならない楽器となっている。




2022/01/10

ドンブラ

ドンブラ dombra

中央アジアの弦楽器 ドンブラ dombra

ドンブラは、中央アジア諸国(カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタンなど)テュルク人の音楽で使われている楽器。
スプーンを大きくしたような形で、細長いネックが特徴。

中央アジアには、名前も地域により異なるがこのスプーン形の楽器が色々ある。さらに、中央アジアからは東部にあたるウイグルではドゥタールという同様の楽器がある。おそらく基本となる楽器が、それぞれの地域に伝わってきたのだと思われる。




2021/12/05

トルコのジュンブシュ

 ジュンブシュ cumbus

ジュンブシュ cumbus ( Cümbüş )
ジュンブシュ Cümbüş
ジュンブシュは、トルコの比較的新しい現代版の弦楽器。
アラブ圏で愛用されている伝統的な楽器を現代風に作り変えたもの。「ウード」や「サズ」「タンブール」などが元の楽器だ。
丸いアルミボディにプラスチックの膜を張ってある。
ジュンブシュ・サズ cumbus saz ( Cümbüş saz)
ジュンブシュ・サズ Cümbüş saz
このアルミに膜張りボディを基本構造として使って、西洋の「マンドリン」「ウクレレ」「ギター」な ど様々な楽器を「ジュンブシュ化」している。
元になる楽器の要素を取り入れて商品化しているので、指板にフレットの有るもの無いもの、スチール弦のもの、ナイロン弦のものなど、それはそれは何でもありでジュンブシュになっていく。
ちなみに、この楽器をジュンブシュという名前で紹介しているが Cumbus (トルコ語では Cümbüş) を日本語カタカナにした場合「クンバス」とか「クンブシュ」という名前でも表現されていることがある。


2021/11/06

アラブ音楽圏の弦楽器

 ウード oud

ウードはアラブ音楽で演奏される木製の楽器。アラブ音楽文化圏なので、中東から(アラビア、イラクなど)エジプト、北アフリカのモロッコにかけて愛用されている。


ウード oud を演奏している女性のイラスト

ウードは、リュート属として分類されるが、ウードの起源の方が古い。ヨーロッパのリュートはウードが西に伝わり普及したもの。

oud とは wood(木)を意味する。表面に獣などの皮を共鳴膜として張りつけた弦楽器が一般的だった古い時代に、全体が木でできているので oud と名付けたのではなかろうか。

リュートにとてもよく似ているけど、ウードにはフレットがない。フレットがないため音の高さは自由になる。西洋音楽は半音を含めて12音階だが、アラブの音楽ではもっと細く「4分の1音」などの音程もあるようだ。


ウードを正面から見ると、人の顔のようだ。

ちょっと漫画キャラクターにしてみた。

ウードちゃん
ウードちゃん

ウードおやじ
ウードおやじ

2021/10/03

タイ王国の伝統的な民族楽器

 スン sueng


スンを演奏している おっちゃんのイラスト
スンは タイの伝統的な弦楽器。
タイの音階は、私たちが普段使っている西洋音階とは異なる。西洋音階は1オクターブを(もちろん半音も含めて)12段階に分けているが、タイの伝統的な音楽では7段階に分けている。
スンも伝統的音階を採用しているので、フレット間のピッチが(例えばギターなんかと比べて)少々広い。

本体は、家具や仏像などにも利用されているパラミツ(ジャックフルーツ)という木材を使っている。
弦は4本だが複弦になっているので2コース。




2021/08/17

トルコの弦楽器

 サズ Saz


サズ Saz (バグラマ Baglama)
サズはトルコとトルコ周辺で使われている撥弦楽器(弦をはじいて音を出す)。本体共鳴胴の底は丸っこく、細長いネックが伸びている。
現在の新しい楽器のフレットは、金属の棒を指板に埋め込む方法で作られているが、サズは伝統を引き継ぎ「巻フレット」で、ネックにグルリとガットを巻き付けてある。

弦の数は6本だったり7本だったりすが、いずれの場合も3コースを構成している。
つまり、6本弦の場合は2本が組になって3コースを構成している。7本弦の場合は2本組が2コースで、3本組が1コースで合わせて3コースというわけだ。
サズ saz
サズという名前は 大小10種類ほどもあるこの楽器のファミリーを表す名称。
標準となる大きさのサズは バグラマ(バーラマ Baglama)と呼ばれており、単にサズというと 最も一般的なバグラマ(有効弦長が88cmほど)を指す。





2021/07/13

中央アジアの伝統的な弦楽器

ドタール dutar

中央アジアの弦楽器 Dutar ドタール

ドタールは、イランと中央アジアで見られる伝統的な楽器。2本の弦をもつリュート型の弦楽器だ。そもそも「du-tar」は2本弦の意味。 1本の弦をオープンで一定音で鳴らし、もう一本でメロディを奏でる。

ホラーサーン州のバクシ音楽(Khorasan bakhshi music)は、ドタールの演奏スキルで有名であり、人類の無形文化遺産の代表リストに認められているという。
神話、歴史、伝説などをテーマにした叙事詩などを弾き語りする。

ドタールはイランから東方部にまで普及しており、中国西部の新疆ウイグル自治区でも愛用されている。