2023/01/04

ギターの系統

 もともと西アジアのネックのある撥弦楽器。これがヨーロッパに持ち込まれ、ヨーロッパ流に数多くの楽器が生まれた。
ひとくちにヨーロッパと言っても、とても広く、たくさんの言語が存在する。それぞれの音楽文化に合わせてか、めったやたらと新しい楽器が作られ、その名称も各地の言語でそれぞれ呼ばれたりするので、どの楽器が元で改良されたのか何が何だかわからない。同じ楽器でも名前が複数あったりする。まあ、何が何だか分らなくても特に不具合はないのだけれども。

 ただ、リュートの系統、シターンの系統なんかは改良されてきた道筋は割とわかりやすい。
それとギター。ギターと呼ばれる楽器は、長い歴史からすると比較的最近。まず、バロックギターという名前の楽器が登場する。もちろん、バロック時代にバロックギターという名前は無かったろうから、単純にギターと呼んでいたのだろうけど。



バロックギター
画家:マルグリット・ジェラールの絵画より
1600年代のギター。現在では、バロックという時代名称を冠してバロックギターと呼ばれている。10本弦で、2本対の6コースの楽器が多かった。

ロマンティック ギター romantic guitar
画家:バジル・デ・ルースの絵画より
1800年代に愛用された、ロマン派ギター。バロックギターのシルエットを残したまま、単弦の6本弦。ロマンティックギターとか19世紀ギターなどと呼ばれている。


クラシックギター
ギタリスト:フランシスコ・タレガ
同じく、1800年代にはスペインで世界標準となるべきギターが作られていた。ボディを大きくした6本弦のギターは過去のギターを駆逐し、名演奏家と名曲が生まれた。クラシックギターといえば、この楽器を指す。

スチール弦のアコースティックギター
フォークシンガー:ウッディ・ガスリー
スペインのギターを基本として、スチール弦を張ったギター。フラットピックを使ってかき鳴らす演法を考慮してピックガードを張り付けてある。この楽器を世界中に流行させたのは C.F.マーチン。マーチンのロゴには "EST.1833" と設立年が添えられている。
スチール弦を張ったギターといえばマーチンに少し遅れてもう一社 ギブソンが揚げられる。
アコースティックとは「(電気を使わない)音響の...」という意味だが、現在ではアコースティックギターと呼ぶのは、このタイプのギターを指すことになっている。マーチンとギブソンは、アコースティックギターの2大ブランドとして君臨する。


ジャンゴ・ラインハルト (Django Reinhardt
ジャズ ギタリスト:ジャンゴ・ラインハルト
大きなホールでも鳴り響くように、電気で音量を増すようピックアップを搭載したギターが登場する。アコースティックの空洞を持ったギターにピックアップを取り付けたものや、空洞の無いボディにピックアップと取り付けたものがある。
エレクトリックギター ジミ・ヘンドリックス
ギタリスト:ジミ・ヘンドリックス
空洞の無いエレクトリックギター(ソリッド・ギター)はレオ・フェンダーが商品化し販売した(1949年)。フェンダーといえば、今でもソリッド・ギターの最有名ブランドだ。