2010/08/28

タンプーラ

インドのタンプーラ
演奏者は、もの静かである。伴奏用の楽器であり、淡々と低音弦をはじきつづける。ネックにはフレットがなく、もっぱら開放弦(弦をフレット上で押さえない状態)を鳴らす。弦は4本が通常であるが5本~6本のものもある。

タンプーラのブリッジは平べったい形をしており、はじいた弦がビリビリと雑音混じりになるように出来ている。カタカナ擬音で表現するならば”ビビョーン”とか”ギョワーン”という感じかな。この仕組をジャワリという。日本の琵琶や三味線には反対側、つまりネック部分にこの仕組がついていて、心地良いビビリ音を出す。日本ではサワリというが、おそらくジャワリと同じ語源なのだろう。

タンプーラは西洋音楽に置き換えるとコントラバスやベースギターに相当する(少し強引)。普段、私たちが耳にしている楽曲アレンジだと、例えばCスケール(ハ長調)の曲をベースギターで Cコード・・・つまり「ド」「ソ」を延々とひき続ける。タンプーラはそんな役目を担っている。
タンプーラは楽曲全体を安定させるベースであり、演奏者は、いたってもの静かである。タンプーラという大地の上でシタールとかタブラがたわむれているという図を思い浮かべてほしい。なに、思い浮かばない?。それは修業が足りないせいだ。タンプーラと聞いて、♪タンタン タヌキのキンタマは 風に吹かれて プーラプラ・・・とか、なんとか歌いだすようでは、全くもって無礼千万である。