2019/01/07

中国のリュート属 弦楽器

さてさて、今更ですが....
リュート属というのは、弦楽器のなかでも棹(ネック)があって、そこに弦を張ってある。弦の長さは指なんかで押さえて変えることができる..つまり音高を変えることができるという構造になっている。
西洋で広く普及したリュートを代表としてリュート族(Lute family)という分類名がつけられた。現在では、その代表がギターだろう。
メロディ、コード、リズムが他の弦楽器より簡単にそして効果的に表現できるので、ずいぶんたくさんの種類が世界中で使われている。

そんな中で今回は中国のリュート属楽器を紹介しましょう。
柳琴(Liuqin リウチン りゅうきん)
中国の小さな撥弦楽器。中国のマンドリンとも云われており演奏方法もトレモロを多用する。ただし、マンドリンは8弦の復弦4コースだけど柳琴は単弦で4本だ。
日本語読みででは「りゅうきん」であるが、金魚のリュウキンをまず思い浮かべてしまう。ちなみに金魚のリュウキンも中国生まれらしいが。
形が柳の葉のようであるため、柳琴という名がついているとかで、柳葉琴とも。

月琴(Yueqin ユエチン げっきん)を演奏している女性
月琴は音響ボディが満月の形で表面板にサウンドホールがない。棹(ネック)が短く3本または4本の弦が張られる。4本弦の場合は2本をセットにして2コースにしたものもある。
日本にも伝わり、「げっきん」と呼ばれているが中国のものとはちょっと違う形になって普及している。

阮(Ruan ルアン げんかん)を演奏している女性
むかしむかし中国に阮咸という賢者がいて、この楽器の名士だったそうだ。いつか愛用の楽器には阮咸という名がそのまま付いた。
日本では「げんかん」と呼ばれているが、中国では単に 阮(ルアン)と呼ばれているようだ。

琵琶(Pipa ピーパ びわ)を演奏している女性のイラスト
日本の琵琶は中国の琵琶がもとになっている。
漢字で書くとどちらも琵琶なので、中国の琵琶をわざわざ「中国琵琶」と呼ぶこともあるが、中国が本家なのだから、日本の琵琶を「日本琵琶」と呼ぶほうが正しいのかもしれない。
ピーパは中国伝統の形状をしているが、西洋的な旋律や和音をふんだんに取り入れた演奏をするようになってきた。
胴体の表面板にもフレットがついていて、ハイポジションを頻繁に使うのも特徴的だ。

三弦(Sanxian サンシェン さんげん)を演奏している女性
音響ボディの表面は皮張りで、日本の三線(さんしん)や三味線のルーツが中国の三弦。大きな大三弦(ダーサンシェン)、小ぶりな小三弦(シャオサンシェン)などがある。